scene.01 愛花の遊戯

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  鳴り出したケータイの着番は、知らない番号だった。 歩道を歩きながら、あたしは電話を受けた。 「もしもし?誰?」 「愛花、オレ、オレ。ッちゅーかオマエ元気してたん?」 “オレオレ詐欺?”なんて思うワケじゃ無くて‥。 耳に飛び込んで来た声に驚いた。 「ケータイ変えたん?」 「あ、ちょっとな。」 「誰かと思ったやん。てか、なに?」 ─ 今更、何の用? 怪訝に思いながらも、ココロのどこかでは、また声が聞けたことを喜んでる自分がいて‥。 そんなキモチに気付いて、切なくなった。 「愛花、久しぶりに逢お。」 女心をくすぐるような甘い声に、あの頃を思い出す。 あたしは、返事に戸惑った。  
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