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夜の稽古に来る小学生の指導のため、師範代は道場に残る。
「気ィつけて帰れよ。」
「押忍!」
挨拶を済ませ、オレ達は駐輪場に向かった。
帰り道は、三人ともバラバラだ。
「んじゃァ、また明日な。ユーユ♪」
「うッさい、キモタク♪」
「おぃぃッ!誰がキムタクやねん!テレるやんけ~♪」
「耳掃除しとけよ。あっほ♪」
オレらの会話にウケてるらしいすみれちゃんは、さっきから笑いっぱなし。
「夕陽、今からバイトか?」
「今日は無いねん。でも、忙しいけどな。」
「んじゃ、また明日ぁ!」
オレはチャリに跨ると、オレンジの夕日を顔面に浴びながら、家へと急いだ。
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