scene.02 夕陽の秘密

10/14
前へ
/555ページ
次へ
  夜の稽古に来る小学生の指導のため、師範代は道場に残る。 「気ィつけて帰れよ。」 「押忍!」 挨拶を済ませ、オレ達は駐輪場に向かった。 帰り道は、三人ともバラバラだ。 「んじゃァ、また明日な。ユーユ♪」 「うッさい、キモタク♪」 「おぃぃッ!誰がキムタクやねん!テレるやんけ~♪」 「耳掃除しとけよ。あっほ♪」 オレらの会話にウケてるらしいすみれちゃんは、さっきから笑いっぱなし。 「夕陽、今からバイトか?」 「今日は無いねん。でも、忙しいけどな。」 「んじゃ、また明日ぁ!」 オレはチャリに跨ると、オレンジの夕日を顔面に浴びながら、家へと急いだ。  
/555ページ

最初のコメントを投稿しよう!

539人が本棚に入れています
本棚に追加