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紐で十字に縛られた古新聞を破いて丸めるとバックの中を漁った。
「…こんな時に何で見つからないの?」
いつもは直ぐに見つけられるのに、なかなか見つからない。
早くしないと誰かが来ちゃう。
それはバックの底の方に隠れるようにあった。
あの魔法のマッチ。
「お母さん、私にも魔法を使えるようにして下さい」
魔法のマッチに向かって呟いた。
箱から一本取り出して擦った。火が点いた。
それを丸めた古新聞に火を移そうとした。
でも、なかなか燃えてくれない。
古い物だから、しけてるのかな、それともやっぱりお母さんは私が良い子じゃなかったから味方してくれないのかな…。
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