箱庭の子羊

魔女になりたかった

「本物じゃないから無理か」

仕方が無いからマッチはしまって百円ライターを出した。

私がタバコを吸う為に、いつも持ち歩いているものだ。

ライターで点けると、少し燃えたからそれを燃えるゴミの袋の上に乗せてみた。少しだけゴミ袋が溶けた。

もっと沢山燃やせば火は大きくなるかな？

ビニールの焼ける嫌な臭いがするけど、お構い無しで古新聞を破っては燃やしを数回やってそこから逃げるように走った。

ゴミ置き場の入り口の触ったであろう部分を拭いて行くのも忘れなかった。

それでも、ろくでなしならいない方がいいよね。

帰り道は嫌に長い様な気がした。

悔しくて泣き続けていたせいかな。

やっとの思いで家に着いた。