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その時、悪魔が私の耳元で囁いた。
…嫌なモノなら全部燃えてしまえば良いんだよ、あの時の様に。
そう思いついた私は、マンションのゴミ置き場を探した。
ゴミ置き場探しながらそんな事を考えていたら、昔の事を思い出していた。
幼い頃の私の家は、二匹の鬼がいた。
一匹目は父親。
酒乱で何が気に入らないんだか知らないが、毎晩のように酒を飲んでは暴れていた。
そうなると母親はオロオロしてた。
私は泣いて小さくなっているしかなかった。
もう一匹の鬼、母親も私には優しくなかった。
虫の居所が悪いと意味もなく平手で打たれた。
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