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だいたい機嫌が良い時の二言目には、
「あんな男と結婚するんじゃなかった。アンタは玉の輿にでものって私を楽させておくれ」
この人は自分の為だけに私を産んだんじゃないかとその時は思っていた。
これがその頃の私の世界だった。
その頃読んだ絵本が『マッチ売りの少女』で私より可哀相だと思って読んだ覚えがあった。
本当にマッチをすれば、夢の世界が現れるのか試したくなって、一本だけつけて見てた。
だけど、途中で指が熱くなってマッチを離してしまった。
落ちたマッチは絨毯を少しだけ焦がした。
その日、母親にこっぴどく叱られ打たれた。
ウチのマッチじゃムリなんだ、他のを探して来ようと本気で思った。
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