7人が本棚に入れています
本棚に追加
その後右手が大破直前になりながらも、とりあえずは無事に学校に到着した。
斐野坂高校。
二人は、ここの第ニ学年。同じクラスで、しかも席替えをした所、席まで隣という状況になっていた。
「お!今日も二人そろって登校か?熱いねぇ!」
「うるせぇよ」
「あら、佑也じゃない。まだ生きてたの?残念だわ」
教室に入ってきた瞬間そう話しかけて来た佑也に華奈が毒を吐く。
「え、ちょ……え?朝から酷くないすか?」
「え、そうかな?あんたにはこんなくらいの言葉が妥当じゃない?
それとね佑也。私はね、秋人がねぼすけだから、わざわざ起こしに行ってあげて、『一緒に手繋いで欲しい』って言ったから繋いで歩いて来たのよ、ねー秋人?」
「華奈、なんかいろいろ違うような、いや絶対違う」
その華奈の言葉に、佑也はなんだか気持ち悪い笑みを浮かべた。
「……そうかそうか。お前らも本当に仲良くなったもんだな。
……てかあれ、今そう言ったんだったら最初に俺が言った事間違ってなくない?酷いコト言われる必要なかったんじゃない?」
「あぁ、ただ単にうざったいと思ったのよ。朝から気分良く来たのに害さないでくれる?全くアンタみたいな──」
「……っうぇ……」
「華奈。もうやめろ。佑也がそろそろ崩れ落ちるから」
そんなやり取りをしているうちに、チャイムが鳴り、SHRが始まった。
佑也はまだ依然として、
「……っうぇ……」
と歎いていた。頬の辺りには光るものが見えたとか見えないとか。
最初のコメントを投稿しよう!