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「そんなの……!ふ、ふざけんな!俺らが何したって──」
若者が顔を歪ませながら嘆いているのを遮り、青年は言う。
「知るか。理由なんて知らない。ただ俺は依頼を遂行し、お前は対象だから死ぬ。ただそれだけ。他の事は今はどうでもいいんだ」
ゆっくり、ゆっくりと若者に近づく青年。対し、逃げれないと判断した若者は、叫び声をあげながら青年へ突っ込んで行く。
青年は地面を勢いよく蹴り、若者の胸元へ一気に接近していた。
「うっ……?」
青年は刃を持った右手を勢いよく突き出し、若者の左胸を貫いていた。
「い、てぇ。死に……たくな」
突き刺した刃を思い切り右へ振り払う。
肋骨の間を通り、心臓、肺、筋肉を切り裂く。
刃を振り払い、刃が若者の体から出てきた直後。
紅い雨のように。若者の体から血が吹き出し、地面に倒れて行くにつれ吹き出している箇所が上を向き、青年に降り注ぐ。
「【掃除屋】。あとは任せた」
若者の傷口から流れる血が辺りに紅い水溜まりを作っていた頃。
青年が【掃除屋】、と言うと、路地の奥から3人が、【掃除屋】と呼ばれた者達があらわれた。
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