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街を出て辺りは風が扇ぐ音だけになったころにユリはまた話を切り出してきた。
「向こうに見える洞窟が見えるか?」
「アレがアジト?」
遥は目を細め、その方を見る。
俺もその方向を見ると崖に小さな穴が空いていて、門番らしき人物が4人いるのを確認できた。
「ああ。あそこから正面突破したくないか?」
「「「したい」」」
素晴らしい以心伝心だった。
「とは言っても別にあそこを破壊しにいくわけでもない。目的はただひとつ。アイリス様のためにシャトロンの動きを把握して、出来れば検挙。…つまり言いたいことはわかるな?」
「…ツーマンセルですね?」
ニヤリと不適に笑う栞。
いいね!
ノッてきたぜ!!
「…じゃんけんでよかろう」
遥は指をパキパキとならして気合いを入れはじめる。
「いくぞ!!」
ユリの言葉を合図にみんな手を後ろに引く。
「「「「最初はグぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」」」」
「「「「じゃん!!けん!!はぁぁぁぁ!!」」」」
遥・俺パー。
栞・ユリグー。
「「ぃよっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
「やら…れ…た」
「くそぉぉぉぉぉぉ!!」
栞とユリは地に膝をつき、落胆する。
俺達が陽動だぁぁぁぁぁぁ!!
「…仕方ない。私達はお前らが暴れてる間に少し離れた崖から侵入する」
「遥さん。ユーさん。怖気づいたなら今ですよ?www」
「誰が怖気づいたって?そんな簡単にうちらが怯むわけないでしょ」
「…ふふ。頑張ってくださいね?」
「「もちろん」」
「キモいくらい息ぴったりだなこいつら」
まぁ十年ぐらいの付き合いだからな。
「さぁ一仕事いきますか」
俺はアジトを見据えて言った。
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