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「え…?」
「やっぱり覚えてないか…」
少女はルナに聞こえない声で悲しそうに呟くと、溜め息をついた
「あの…貴女は?」
私の言葉に少女はハッとし、苦笑いを浮かべると
「私は、アンジェ.ライティング=ロザリアよ
アンジェでいいわ
ランクはB、属性は雷」
私はその言葉で胸が跳ねた
「あ…アンジェ…ロザリアの一族の一家で、雷を司る家の跡継ぎ…」
ロザリア家の事は、復讐を成せる機会がくるまで、胸にしまっておこうと思ってたのに…
「…ルナも同じなの?」
私が振り向くと、悲しそうな顔をしたアンジェが私を見つめてた
「皆そう…
私がロザリア一族、雷の貴族だと知ったら、私から離れていく…
ルナもそうなの?」
ロザリア一族は属性を司る貴族で、帝などは大抵がロザリア一族から生まれる
アンジェは雷帝候補者の1人なのだ
「…どうして…??」
「え?」
「どうして…アンジェから離れなきゃならないの?
アンジェはアンジェでしょ??
家柄とか…関係ないよ」
私は微笑むとアンジェに白い指輪を渡した
「これは、私とアンジェが[親友]っていう証
私とお揃いだよ?」
私はそう言って、左手を見せた
私の左手にある指輪は、魔力制御の指輪だが、アンジェに渡したのはただの指輪だ……一部を除いては…
まぁ、それはアンジェが危険になればわかるだろう
「ありがと…ルナ…」
こんな感じでHRが終わり、5分の休憩に入った
休憩に入ると、たくさんの子がよってきた
そして授業始まりの鐘がなった
「えー……魔力は…・・」
私は、トルカの長い授業を乗り切るために、魔法で小さくつむじ風を作って遊んでいた
その時、右隣の、紫色の髪に緑の瞳の少年が話かけてきた
「ねえ、君。
確か水属性のEランクだよね?
何で風属性の魔法が使えるの?」
私は驚いて、つむじ風を飛ばしてしまった
すると窓に亀裂が入り、今にも割れそうだった
幸い、少年以外は見てなく、亀裂もあまり目立たなかった
「ねぇ、窓…割れちゃうよ?」
(不覚…
ていうか、トルカの授業がつまんなすぎてこうなったのよ!?)
「ハァ……貴方名前は?」
仕方なく、ルナは聞いた
「俺、ロカ.リマ
Dランクの土属性」
ニコッと笑うその顔は、私にとって恐怖だった
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