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ちょっと、いえかなり心が折れそうになりましたが、上手く行けば青頭巾ちゃんだけでなく怪我をした老人も食べれそうなので、肉体狼さんは頑張ることにしました。
「えーと、その、見舞いに行くんだろ?だったら向こうの花とか摘んでってやれよ、きっと喜ぶぜ!」
「花?花か…」
青頭巾ちゃんは自分の荷物の中に見舞いの品がウォッカしかないことを思い出しました。
折角じいやの見舞いに行くというのに、やはりこれではちょっとあまりにもです。
「それもそうだな。この俺としたことが思い至らなかった…ありがとう」
「っ!!い、いや、いいっていいって!じゃあ、ゆっくり摘んでけよ!」
「ああ、そうさせてもらう」
素直に御礼を言われて良心が激しい痛みを覚えましたが、本能として満腹中枢を満たすためです、仕方ありません。
青頭巾ちゃんは肉体狼さんの言ったとおりに花を摘み始めました。
「鈴蘭?駄目だな、猛毒だ。こっちの花は…」
どうやら花摘みは結構時間がかかりそうです。
青頭巾ちゃんの呟きから「花言葉」という単語が聞こえてきて思わず振り向いてしまいましたが、肉体狼さんは急いで怪我をしたじいやの家へ向かいました。
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