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華「……」
何も言えない。話せなくなるのは事実だもの…私はやっぱり自転車通学の方が落ち着く。バスは…なんていうんだろ…徹がいてもソワソワしちゃって落ち着かない。
華「大丈夫だよ…また会えるから。」
頑張って口角を無理に吊り上げて笑ってみせる。
ちゃんと笑えてたかな…?
徹「本当!良かった!あ…引き止めてごめん。じゃあね!」
……笑えてたみたい。
私の無理な笑いに気づかないらしくパアッと明るい顔になり手を振って走って行った。
嘘の笑顔が見破られなかった反面…心の、どこかでこの嘘の笑顔を見破ってほしい自分がいた…
華「うん、ばいばい。」
私も手を振り返した。また無理に笑って……
華「あ、皆に迷惑かけちゃう。行こ…」
玄関へ行く足どりは家からバスまでの足よりもなぜか数倍も重い気がした。
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