出会いは突然に───

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5月1日。 今年は何を間違えたのか、この日は金曜日だ。 一般にゴールデンウィークとなるのは明日から。 なぜ、ゴールデンウィークが来ない…。 俺はこの日、かなり憂鬱な気分で学校へ向かっていた。 ちなみに、今日はちゃんと登校時間を守ってるからな? 「うーっす…」 学校に着き、教室の扉を開ける。 「お、ちょうどいいところに来たな、蒼井」 「ん? どうしたんだよ永村」 「いやなに、このアホが珍しく使える情報を持ってきたのでな」 そう言って永村はボコボコになった瀬山ことアホを引っ張り出した。 気絶してるな、これは。 「情報? なんだそれ」 「今日転校生が来るんだそうだ」 「転校生? 今さらなんで?」 「なんでもカナダでトラブルがあったようでな。それで手続きが遅くなったらしい」 「なるほど」 「ちなみに性別の情報も確保してる」 「…………とうとう生き返ったか、瀬山」 「死んでねぇよ! っつか残念そうな顔をしてんじゃねぇよ!」 「いや私的には生き返ってもらいたくはなかった。…………めんどくさいから」 「めんどくさがるなよっ! この情報誰が手に入れたと思ってやがる!!」 「ええいうるさい黙れ。貴様にはこれをくれてやる」 ボカッ。 瀬山KO!
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