出会いは突然に───

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とまぁ、そんなコントのようなやり取りをして朝の短い時間を過ごしていた。 朝の予鈴が鳴り、HRを始めるために先生が入ってくる。 「はいはーい、みなさん席に着いてくださいね~?」 担任の成宮香穂先生である。 社会科の女教師で、大学を出たばかりの新任だそうだ。 しかし、その実力は確かなもので、授業は要領がよく、それ以外では人当たりがいい性格で生徒教師ともに認める人物なのだ。 まぁ容姿がとてつもなくいいことと、優しそうな笑顔が人気の種なのだが。 「まずは出欠を取りますよ~。休んでる人はいますか~? いたら名乗り出てくださーい」 先生! いないのに名乗り出るのは無理だと思います! 「ハイ! 瀬山大地こと俺が休みです!!」 そしてお前も手を上げて自己申告するなっ! 「そうですかー。………………瀬山大地君は死亡……っと」 あれ!? 欠席から死亡に変わった!? 「はい、じゃぁ欠席者は故・瀬山君(15)だけですね? それではHRを始めますよー」 『…………………』 クラス全員が静まり返った。 ………瀬山…お前の存在は─────どうでもいいからすぐに忘れるよ。 「……全く…相変わらずぶっ飛んだHRだな…」 俺の二つ前の右の席に座る永村の呆れきったため息が聞こえてきていた。 俺もこのまま寝てしまおうかね。ダルいし。
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