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『うわぁぁぁああああああああっ!!』
先生の投げたチョークは床で弾け、衝撃波で生徒を吹っ飛ばした。
いやいや、おかしいでしょ。そのチョークの破壊力。
ちなみに、俺と飛鳥と女子は生き残っている。
「さすがだな…。これが神業と言われたチョーク投げか…」
神業と言うより荒業だろ、これ。
と、俺は永村に心の中でツッコミをした。
それからしばらく、男子の死体の片付けと教室の整備に時間は割かれ、HRは終わっていた。
みんな、先生を怒らせちゃダメだぞ。休み時間がなくなるからな。
「───えー、では改めてみなさん橘飛鳥さんと仲良くしてください。困っていたら手を貸してあげるように」
『はーい』
「それじゃぁHRを終わります。蒼井さんはあとで先生のところに来てください。それでは号令をお願いします」
『気をつけー、礼ー』
号令がかかり、みんながそれぞれに立ち上がり教科の用意をし始める。
俺は机の中の教科書とノート──次は数学だ──を出してから、香穂先生のところに向かった。
周りからは『また何かやったのか』やら『頑張ってね~』とか『ご武運を』などと声をかけられたが、はて…心当たりがないな。
俺は呼ばれた理由もわからないまま、まだ転入生と話している香穂先生に話しかけた。
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