出会いは突然に───

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「止まれ蒼井」 身を隠したり、ほふく前進したりしながら廊下を進んでいると、永村が肩を掴んできた。 「な、バカか!? 今俺が止まれば───」 シュッ……。 振り向いた瞬間に、ボールペンが頬を掠める。 あ、危ぇぇぇ…っ! 「───と、とまぁ、止まると殺されるんだ。だからその手を離してくれ!」 俺は永村の手を振り払って、再びほふく前進を始める。 「だから…止まれと行っておるだろう!!」 ズガンッ! と、突然地響きのような音が廊下に響いた。 「……バカかお前は。いや、バカか。お前があまりにもバカすぎて一緒にいる私たちが恥ずかしいんだ」 永村は長いため息を吐いて、拳を俺の真上に持ってくる。 「三秒以内に立ち上がれ。でなければお前の背中に風穴を空けるぞ」 「え、ちょっ待───」 「3………───0」 「今間がなかったよ!?」 「知るか。私は気が短いんだ」 「そういうレベルじゃないよね!?」 「うるさい黙れ。殴られたくなければとっとと立て、この阿呆が」 永村は額に微かな怒り十字を浮かばせながら、ゲシッと俺の背中を蹴る。 これ以上永村を怒らせるのもマズイので、俺は素直に立ち上がった。
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