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『邪魔だ退けぇぇぇえ!』
「うぉっと」
のんびりマイペースに食堂に入ると、慌てて駆け込んでくる生徒にどつかれる。
まぁそんな些細なことで怒る幸人くんではないし、こんなこと日常茶飯事なので、気にもせず進んだ。
「退けぇぇぇえ!」
「うぉっと………って、あいつは…っ!」
さらにもう一人横切る奴がいた。
しかもそいつはよく知る人物だ。
「……永村」
「……なんだ?」
「瀬山を殺るぞ…」
「いい判断だ…。私もちょうどそう思っていたところだった」
永村との意見が一致したところで、俺たちは拳を固める。
……他の奴が軽くどつくくらいは許すが、あいつにどつかれっぱなしなのは許せねぇ…っ!
俺と永村は、瀬山が入っていった人混みの中へ向かった。
「永村、タバスコは持ってるか?」
「当たり前だ。私を誰だと思っている」
「味覚障────」
ズゴッ…。
「ただ辛いものも甘いものも好きなだけだ。ちゃんと味はわかるぞ」
「…………すいません」
そんなやり取りをして、俺は永村から特製ハバネロよりも辛いタバスコを受け取る。
そして、瀬山が券売機の前でもたついている間に食堂のおばちゃんのところに向かった。
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