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さて、そんなことは横に置いて。
「橘。何か食べたいものとかあるか?」
静かに着いてきていた橘に話しかける。
「別に。それより気安く呼ばないでくれる? 私まだあんたと仲良くなったわけじゃないんだけど」
「…………………」
何かを聞けば二言余計に付いてくる子だな…っ! そんなにサービスしてくれなくてもいいよっ!
怪訝な目で橘を見ていると、横から永村が橘に近寄った。
「飛鳥。どれにする? 一応何でもあるらしいから好きなものを頼むといい」
「へぇ、そうなんだ。じゃぁ───」
橘は永村と並びながら券売機を見つめる。
「って永村とは普通に話すのかよっ!」
どうやら本格的に嫌われているようだ。
「──私は和風定食にしようかな」
ぴぴっ。
電子音がして券売機から券が出てくる。
「えっ、無視か!? 無視なのか!?」
「ええいうるさいぞ、蒼井! 少しはおとなしくできんのか貴様はっ!」
「…………………」
……………もう僕帰りたい。
と、理不尽な少女二人の、これまた理不尽な仕打ちを受けながら、俺たちは昼食のメニューを決める。
ちなみに俺はヒレカツ定食で、永村はどういう心境なのかキツネうどんだ。
ビバヒレカツ! ヒレカツ最高!
おばちゃんからそれぞれ頼んだものを受け取って、俺たちは適当にテーブルに着いた。
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