想い

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今、この歳になって考えると、 なんであのタイミングで電話をしたのかよくわからない。 なんでもう少し考えてから行動しなかったのか。 ―――プルルル…プルルル… コールが何回か鳴った後に、ガチャと受話器を取る音が聞こえた。 「もしもし…」 出た…希在だ! 「もしもし?知海だよ、突然ごめんね」 「知海かぁ…、びっくりした」 「びっくりしちゃった??ごめーん!」 「別にいいけど(笑)。知海、どうしたの?」 ここからが本題だ。 言わなきゃ…言わなきゃ…と、私の心が慌てる。 「ちょっとお話っ♪希在に聞いてほしいことがあるの!」 「…なにー?」 言わなきゃ…。 「あ、あのさっ、希在と私って仲いいじゃん??」 「なんじゃそりゃ(笑)まぁ、そうだね。」 「希在は、私のことってどう思う…??」 「どう…って??」 聞いた。ついに聞いた。 「いや…友達として、好き?嫌い?的な??」 緊張しすぎて、つい、質問口調になる。 「あー、そうゆうことね。知海のことはね、友達として大好きだなー♪」 「友達…として…?」 「うん。え?違う??」 "友達として"それを聞いて、少しショックになる。 "大好き"を聞いて、少し嬉しくなる。 「違くないよ(笑)ほんとに??」 「嘘言ったって仕方ないだろ。」 「あはは。確かにそうだ(笑)」 しばらくの沈黙。 …の後に口を開いたのは私だった。 「ねぇ…、希在…。」 「ん?」 「希在…、好きな人とかいるの??」 言わなきゃ…。 「んー…、いるかな。」 「えっ!?誰だれ??」 「簡単に言うかよ(笑)」 「じゃぁ、私の好きな人も言うから、言って!!」 どう考えたって強引。 それに、このタイミングで告白っとゆー形になる。 「じゃあ、知海から言ってみ??」 「わ、私からっ!?」 「言わないと…、あ!いいもん見つけた!!」 「何見つけたの??」 「小学校のときの卒アル。言わないと、お前のページを音読します(笑)」 「やだやだやだ!!(汗)」 「じゃ、行くぞー。小学校の思い出。佐伯知海。私の中でいち…」 「だめーっ!!」 「じゃあ言いなさい(笑)」 「言うから!!」 私は、覚悟を決めた。 絶対言う。 このタイミングでもいい。 言ってみせる。
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