想い

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言っちゃった。 ついに言った。 "希在が好きだ。" 私の中では、それがいちばん大きい。 「…え、お、俺??」 「うん…。」 後悔はない。 だけど、この空気が辛い。 「…困ったなぁ。」 「え?」 「いや、なんでもないよ。」 「じゃあ、次は希在の番!!言わないなら、卒アルの希在のところ、音読する(笑)」 「わー、やめやめ!!」 私は希在の卒アルを読む。 なんだか恥ずかしい…。 「知海。」 「はい?」 すごく真剣な声で言う。 「俺、今は返事できない…。もう少し、待ってくれないか?」 「もう少しって、どのくらい?」 「日曜日に返事言うから、それまで…。」 待てない。 私は、そんな気が長くない。 「まっ…、待てるわけないじゃん。明日も学校あるのに、会わす顔がないよぉ…。」 「ほんとごめん。でも、待ってて。しっかり返事するから。もし、無理なら、いつがいいの?」 「…いま。」 無理だってわかってるけど、私は今聞きたい。 私は、"好きな人"をしっかり希在に言ったのだから。 「だから、今は無理って…。」 「じゃあ明日!!…せめて明日。今か明日じゃないと、私、溶けて死んじゃう…(笑)。」 「死ぬなよ(笑)。じゃあ、返事の代わりに、今好きな人言うから。」 「うん。誰?」 「元1年5組。」 「そんだけじゃわかんないって(笑)他には??」 私は、元1年5組だった人を書き出した。 「髪の毛が茶髪だった子。」 何人か候補がいた。 「それでそれで??」 「出席番号、14番だったかな。」 「あ…。」 わかった。 わかっちゃった。 この子だ。 私のいちばん苦手な子。
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