18人が本棚に入れています
本棚に追加
まさに怪しさ100…いや、1000%越。
こんな男に近づく人など居るはずもない………と、
スクール水着を肩まで下ろし、両手でこぼれおちそうな巨乳を隠した、三つ編みメガネっこの表紙を拾おうと手を伸ばしたときだった。
すっと…
細くて真っ白い華奢な指先が、
有希の手よりもさきに、そのピンクな同人誌を拾い上げると、
綺麗に揃ったデニムの膝の上に置いて、撫でるように埃を振り払い、
両手でそれを差し出してきた。
「はい、どうぞ。大丈夫ですか?」
まるで太陽のようにきらきらと輝く、
嫌味のない笑顔とともに。
トーンの高い澄んだガラスのような声。
気のせいだろうが、
ライムのような爽やかな香りが鼻を掠め、
光に反射してキラキラと輝く、茶色を含んだ髪が、
白い頬を撫でるように風に揺れていた。
「!!!」
くっきり二重に大きな漆黒の瞳。
熟れたチェリーのように、ぷるんと潤う薄紅の口元は綺麗な弧を描き、
ふわり…と、
上質上等な、
まさにその道の匠が手がけた超高級マショマロ…まぁ食べたことも見たことも、そんな匠が居るのかよちくしょーって感じではあるが、
それくらい柔らかくて甘い笑顔が、
有希が見上げたそこには、まっすぐと自分に向けられていたのだ。
ピンクの同人誌とともに。
「………………。」
これは…?
これは…これは……………………………。
これはこれはこれはこれはこれはっっっっっ…………………………………
キターーーーーーーーーーーーー!!!!!!
瞬間、
目に見えない雷が、
有希の全身を脳天からつま先まで一直線に貫いた。
最初のコメントを投稿しよう!