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「…………あの………やっぱり……だめ…でしたか?」
なんの反応も返してこない有希を見て、
袋を差しだし心配そうに上目で様子を伺い、
天使は少し肩を竦めた。
そんな姿に、心臓ど真ん中直球ストレートで打ち抜かれた有希は、
即座に返事を返そうとして思いきり声が裏返ってしまった。
「い、いえ!!ありがたき幸せかと存じ上げるそうろうでございます!!…な、なに言ってんだ俺……あ、あ、あ………ああ、ああああ、ああ……あ、あの!!!…って、「あの」言うだけでどれだけ時間を要してんだ俺………あ、ああ…………っっっありがとうございました!!またの起こしをお待ちし申し上げまくってるでありまーす!!!」
漸く言葉らしい言葉を伝えられたかと思うと、
有希は天使の手から袋を奪うように受け取り、
超高速スピードで店の前から駆け出して行った。
「…………またの起こし?」
あまりの強烈な出来事で、
きょとんとしたままその場に佇み、有希の言葉の意味を考え、
首を傾げる天使を残して。
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