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「茨の竜の特徴ってある?」
レイチェルはリースに聞いた
「まず、体が茨で出来ていること でも、奴は火を吹くの」
リースは少し考えながら言った
「じゃあ、炎系の魔法は無効果?」
「いや、体は火に滅法弱い 奴は体内に火炎液を溜め込む臓器を持っているの その臓器は、奴の体からまる見えで、火の刺激を与えるとさらに火炎液を精製するの」
レイチェルの問いにリースが素早く答え、そして続ける
「じゃあ胴体は火で攻撃できないってことね」
レイチェルが言った
「そうね… でも勝算はある 奴の弱点よ」
「何?」
「奴の角よ」
「角?」
レイチェルは聞き返した
「そう 奴の角の辺りには、奴が戦うために必要な物があるの なんだかわかる?」
レイチェルは考えた
「あ、火炎袋(かえんたい)の制御と、口の中を守るための粘膜の分泌じゃない?」
レイチェルは手を叩いて答えた
「よく分かったわねレイチェル その通りよ」
リースは拍手をしながら感嘆の声をあげた
「さすが、冒険家魔術師のブランカの娘なだけあるわね」
レイチェルはちょっと照れて頭を掻いた
「奴の角には、吐き出す火炎液の調節と、その火炎液で自分が焼けないように口腔内を保護する粘膜を分泌する効果があるの その角を壊せば奴は遠距離への攻撃ができなくなるわ」
「なるほどー」
レイチェルは腕を組んで感心した
「戦い方は、尻尾や翼を火で、胴体はなるべく火以外で攻撃する」
レイチェルは頷いて
「よし、行こう リース」
レイチェルとリースはレザルの巣窟へと歩きはじめた
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