第2章/なんで?

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最初の定期テスト期間。 うちの高校は 最初の中間テストが 1年を通して一番難しいという 変わった学校なのだ。 「テストのせいで部活もなくて ストレス溜まりっぱなし…」 サキが疲れた顔で嘆く。 「ゴ-の部活今日までっしょ? 明日みんなでカラオケ行かね?」 サキはすぐ現実から逃げたがる。 サキは普段から普通に 勉強はしているらしいが テスト用の勉強が苦手なのだ。 テストごとに順位を出す うちの高校では タイプがよくわかる。 サキは順位でいうと いつも真ん中より少し上ぐらい。 テスト用に ヤマをかけるのが苦手だから 順位にするとあまり良くない。 「亮介って平気なの?」 サキが亮介に話しかける。 「2年の最初らへんの分は 編入試験の範囲だったから たぶん普通に勉強すれば平気。」 「俺とゴ-ぐらいか、 頑張んなきゃいけねぇのは。」 サキが溜め池をつく。 「いや、全員がんばるよ。 サキとゴ-は余計に頑張らないと いけないんだよ?」 グサッと言い放つシュンの横で うなずきまくる善人。 それを見て笑う俺と亮介。 サキがふて腐れて 横で寝ているゴ-の背中に 「バカ」と指で書いた。 その帰り道 シュンはバイトがあったし 善人がサキに付き合って 勉強するというので 俺は途中まで亮介と 帰ることにした。
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