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「ねぇ、編入試験って難しい?」
俺がそう聞くと
亮介は考え込むようにした。
「簡単だったとは言えないなぁ。
でも陽太のが頭は良いと思うよ」
亮介がニコッと笑う。
「シュンに聞いた。
学年10位以内から
落ちたことないんだろ?」
シュンのやつ。
勝手に俺の話してんなよな…
なんか照れ臭くなり
「…まぁ。
つか亮介の前の高校ってどこ?」
「…京都。」
「京都!?」
亮介がまた笑って続けた。
「俺、京都に引っ越したんだよ」
「え、どこから?」
亮介の視線が止まる。
変なこと言った…?
「いや、うん、やっぱりか。
まぁ仕方ないか。」
亮介が頷きながら
俺をチラッと見る。
「は?」
「や、なんでもない。
元々この辺に住んでたんだ、俺」
「え、そうなの?」
「うん。父親の転勤で
一緒に京都行ったんだけど
また戻ることになったから
一緒に戻ってきたんだ」
なるほど。
なんだかニュアンスが
ちょっと違うなとは思ってたが。
「京都か…いいね。」
亮介が笑って俺を見る。
シュンやサキと一緒にいても
すげぇ楽しいんだけど
亮介と一緒にいると
楽しいっていうより
なんか落ち着くんだ。
雰囲気が柔らかいというか
こういうところが
女にモテるんだろうなぁ。
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