目覚め

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「…そうだ…」 少女の事の前に 重要な事を忘れていた。 携帯を使えば何かこの状況が分かるかもしれないじゃないか。 と 思ったのだが… 『圏外』 待受画面の端に映る電波マークは、一本も立っていなかった。 地下鉄? もう一度僕は窓に近付き外を見た。 相変わらず真っ暗である。 地下鉄なら、ライトが見えて良いはずなのだが…。 やはり何も見えない。ただ黒。 おかしい。 電波状態が悪いなら、メールも電話も出来ない。 けど、少し考えた後、もしも電波が良くなった時の事を考えてメールを保存しておく事にした。 『笑わないでほしいんだけど、今、行き先の分からない電車に乗っているんだ。どうしたらいいかな。何故ここに居るのかも思い出せないんだ。』 宛先は… どうしようか考えて、 一番仲が良いと思える友達、陽介 にした。  
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