目覚め

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プシュー という音を立てて開いたそのドアの向こうには、一人の人間が居るのが伺える。 僕が体勢を立て直していると、 その人物がこの車両に入って来た。 男。 不精髭を生やし、部屋着のような緩い格好をした、30代くらいの男だ。 表情には気力はなく、足どりも重い。 彼はだるそうに車内に入ると、俯いたまま椅子の端に座った。  
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