その列車の行く先

目覚め

あった。

黒い携帯。
僕はパカッと開いて待受画面右上に表示された時刻を見た。

『15:52』

「15:52か……。…、15:52!?」

今思ったが、窓の外が暗い。真っ暗、本当に。

何も見えない。

しかも普通なら、建物なんかの光が見えるはずなのに、それすらない。
トンネルの中なのか？とも考えたが、そういう訳でもなさそうである。

まるでド田舎の夜道。

…でも、確かに僕の携帯には…
15:53との表示。

それにしては暗すぎる。
車内は明かりがあって明るいのだが…。

「おかしい」

うん、
おかしい。

僕がおかしいのか？

いやいやいや

僕の携帯がおかしいのか？壊れてる？

…うーん。

じゃあこの状況自体おかしいのか。

…そうだよ。

激しい自問自答の末、僕は立ち上がった。