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「私もカジノに遊びに行くの」
ネリーが、野菜を食べていた手を休めて応える。完全に留守番を拒否していた。
「ルティさんも午後は、お茶会だって聞いたよ。ファムさんはお金拾いに行くだろうから、私がお留守していれば大丈夫だよね」
サシャが、周りを見渡す。
「頼みますわ。帰りにケーキを買って来ますの」
カリンが、申し訳無さそうに口を開いた。留守番といって、何もやることは無いのだが、突然の訪問客は予期せぬ場所から湧いてくる。サシャひとりを置き去りにするのは、カリンも不安なのだろう。頼む態度がぎこちない。
「うん、任せて。掃除もやっておくから大丈夫。あ、もし、お客さんが来たらなんて言えば良いかな?」
「そうですわね。名前とメルアドを聞いておいて下さいませ。後から、謝罪のメルを出しておきますわ」
「了解。緊急はカリンさんのポケメルで良い?」
「はいですの。後はスピカ様のところに連絡してくださいませ」
緊急のやりとりだけを確認した後、食べ終えた食器を皆で片付け、それぞれ散らばる。
カリンとカプリが、早々に邸を出た。その後、マナが息子を連れて仕事に出ていき、ネリーも遊びに出掛けてしまった。
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