29人が本棚に入れています
本棚に追加
「あら、おはよう御座いますですの。作業は終わりましたの?」
サシャが声を掛けると、台所から戻って来たカリンが、カートを止めた。カートには、美味しそうなマフィンと目玉焼きが乗っている。
「うん、六時間で終わったのが奇跡的。カリンさんは今から朝ご飯? 一緒に食べてもいい?」
「はいですの。朝食が終わり次第、博士と合流して、イリスのメンテを手伝いますの」
カリンが、サシャの席に皿を置き、ミルクをカップに注ぐ。幼い頃からメイドをしているだけあって、その手際の良さは見習うものがある。あっという間に、五人分の食卓が出来上がった。
「ルティ様とファムは後から食べると思いますので、台所に分けてあります。カプリがきたら、頂きましょう。私はネリーとマナさんを呼んできますわ」
「はあい」
サシャは、返事をして椅子に腰掛けた。
ユーリ邸には沢山の居候がいる。邸が広いからとスピカが連れてきた人物をユーリが住まわせているのだ。邸の維持費等は不明。ただ、毎月入る給料とやらでカリンが生計を立てている。もちろん、サシャがその額を知ることはない。
「お待たせしましたわ。さ、お座りくださいませ」
ネリーとマナが、カリンに連れられてきて座る。
最初のコメントを投稿しよう!