第一話 [月と少女と行き倒れ]

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月の綺麗な夜。 私は部屋の窓から月を見上げてる。 窓から吹き込む5月の風はまだ少しだけ冷たかったけど、そんな事は気にしないで夜空を見上げていた。 小さな頃から妙に月が好き。 見てると落ち着くっていうか、考えがまとまるっていうか。 とにかく月を見るのが好きなんだ。 私、遠野椿は高校二年生。 これといった取り柄の無い、基本的に普通の16才。 身長から体重、成績まで標準的でとことん普通。 普通じゃない所と言ったら、ちょっと片足が不自由なのと、ちょっと学校休みがちな事くらい。 まぁ、だいたいそんな感じなわけで。
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