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慌てて上田の後を追いかけると、さっき話てた捨て猫の前にしゃがんでいた。
「上田…?」
「お前まだここにいたのか。
ごめんな、あの時に連れて帰ってあげてたら雨にもあわなかったのに…」
上田は傘もささず、ビショビショになりながら猫に向かって話している。
「飼お。」
上田は猫を抱えたままスタスタと家への道のりを歩き出す。
それとは逆に頭がついていかない俺。
「雄一、傘早くさしてよ。」
上田の声にハッとして傘をさして、上田と猫が雨にうたれないように防いだ。
「今日、夕飯の買い物の帰りに俺もコイツを見つけたんだ。
でも子猫だし、誰か拾うだろうと思ってそのままにしといたら、雄一が話すからビックリして…」
横で子猫にごめんな?って言っている上田。
猫が1匹増えて、一段と騒がしくなりそうな予感がした俺でした。
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