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「おい、ハナ丸!今日も残業か~?」
同僚の赤西がひょっこり前から顔を出してきた。
こいつは最近彼女ができたとかで、いつも早く帰っていく。
俺に声をかけるなんて珍しいなぁ。
「中丸だから。…う~ん、今日は少し残業かも。でもそんなに遅くならないと思う。…どうした?」
赤西のほうを向くと、困ったような顔をしていた。
「どうもしてないんだけど、まぁたまにはいつも残業頑張ってるハゲ丸に飯でもって思って。」
なんだろう、この感じ。
嬉しいんだけど全然嬉しくない(笑)
「そっか。ありがと。」
一応お礼を言っておこう。
「まぁ早く終われば来いよ。店、ここだから。」
そう言って渡された付箋紙は俺の鼻に貼られた。
「……怒るよ?」
さすがに頭にきてそう言うと
「お~、怖い怖い。…じゃ、また後でな。」
左手をヒラヒラさせてオフィスを出て行った。
まったく勝手なやつだ。
っていうか、俺が行くまで1人で食ってんのか?
意味不明なやつだな。
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