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         ((子供はいりません.))      あたしはまだ子供  だったからその意味を  理解できずに母が  帰ってくる事を信じて  夜中まで待っていた.    深夜を回っても  母の姿が見当たらない  為不安と寂しさから  夜な夜な泣きあかした.    きっと姉や兄だって  まだ小学生だったから.  涙がでない訳ない.    むしろ状況をあたし  よりも理解する事が  できていたはずだから  泣きたかったと思う.    なのにあたしだけ  我慢せずに戻って  こない温もりを探して  泣き続けた.  そんなあたしの隣で  父はずっと子守歌を  歌ってくれた.        
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