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ザン、という音と共に現れた人物は、シアンが知るに知りすぎている奴らだった。
「ワハハハハハー!!ビレン団、登・場!!」
快活に登場したビレン団は、二人に向かってピースなんかもしてみちゃったりする。
シアン王子とライア姫は、揃って「はぁー…」とため息を吐いた。
「またお前らか。」
「呆れた…何度倒されたら気が済むのよ。」
最近驚いたリアクションを見せない二人にちょっと寂しさを感じるビレン。
(…じゃなくて、さっさとお宝頂いちまおう。)
「油断したなお二人さんよ。今用心棒二人はいないぜ。痛い目にあいたくなかったらさっさと黄金の指輪とその妖精寄越しな!」
「ムルルルルー!!」
へっ。怒ったって全然怖くないぜ。
とビレンは強気である。
「断る。」
「はぁ!?」
だからこそ、予想外の言葉に驚いた。
このひ弱チキン坊ちゃまが「断る」だと…!?
会った当初は、グスグス泣いたりして盗むのに成功だってしたのに…(その後レベルアップして取り返されたが。)
「弱いままじゃないってことよ、雑魚さん♪」
「ザ、ザコ…!」
当初あんなに非力で攻撃よりも回復系だったライア姫にザコ呼ばわり!?
ビレンは思っていたよりずっと成長していた二人にたじろいだ。
「う…うう…!」
「あ、兄貴ぃ!」
しかし、ここで引くわけにはいかないリーダーポジションのビレン。
弟分の人望と宝と金のためにいくしかないんだ…!
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