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死亡フラグを読み取る能力に長けているという死神。
はっきりいって胡散臭いことこの上ない。
しかし言っていることはなんとなく分かる。
今まで盗賊として歩み、現在は弟分と共にお宝を奪う毎日だ。
実力もそこそこ。
ライア姫にザコ呼ばわりされる。
これが死亡フラグとでもいうのなら…!!
ビレンは決心した。
「だったら、その死亡フラグを回避するために、死亡フラグが立たないような行動をすればいいってことだろ!?」
「あ、兄貴!」
よく考えれば単純なことではないか。
ビレンの言葉にアクターとザクオは目を輝かせた。
『えー。そんな簡単な問題でもないと思うよー。』
死神の言う事も一理ある。
まず、実力を上げるのはすぐには不可能だ。
盗みを辞めるというのも根っからの盗賊魂があるビレンには考えられない。
ならば。
「いい子ちゃんになればいいのさ!上辺だけ!」
『い、いい子ちゃん?って…上辺だけじゃ意味ないじゃん。』
「行動で表わせばいいんだろ!…よし。死神、見てろ。」
そういって、ビレンは枯れた花の元へ行くと水系魔法『アーク』を唱えた。
「ああ…名も無き花よ。誰にも知られる事無く枯れていく花よ。私はお前を見捨てたりしない。見捨てるものか。」
なにやら超棒読みで花に話しかけながら魔法をかけていると、みるみるうちに花は蘇り、赤い花が咲いた。
「兄貴!優しいっす!シビれるっす!」
「感動で涙腺が…うう…」
アクターとザクオは感動して泣いたりしていたが、死神はチラリと死亡フラグバロメーターを見ると、
「あ、死亡フラグまた増えましたね。」
と無碍も無く言った。
「何故だぁぁぁぁぁ!!!」
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