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「なんてこった…ただでさえ俺はイケメンだと思っていたんだがな、ここまでとは。」
「ライア姫に求婚されたらどうしちゃいます!?」
「きゅきゅ球根!?じゃなくて、求婚!?そりゃおめぇ、断るよ…あ、あ、愛人くらいならいんじゃねぇか?」
いびつに口を曲げてほくそ笑み(ほくそ笑んだつもり)、ふふんと澄まして言ってみる。
「ヒューヒュー!」
そろそろ現実の世界に戻してやるか…もう涙が出そうだ…と死神は侘しく笑った。
『ちなみに妖精のマームンは君たちのことを"ダサくて可哀想な奴らだ…"って思ってるらしいよ。あまりの同情ぶりに、死亡フラグ減ってるねコレ。』
「あんのクソペットォォォォ!!」
妄想世界から帰ってきてよかった…と安堵した死神であった。
「うう、許せん…俺達は自由に生きるんだ!誰にも殺されたりはしない!」
『だから、殺されるわけじゃなくて自然の摂理だってば。』
「シゼンノセツリが殺しにきてるんだろう!?」
あ、話通じなさそう。
素早く察知した死神はそれ以上何も言わなかった。
「よし!決めた。何が何でも生きてやる。死ぬもんか。なぁ、お前ら!?」
「その通りです、兄貴!」
「兄貴の言うことは正しい。」
三人は手を合わせて、大声で叫んだ。
「死んでたまるか!!死亡フラグなんて吹き飛ばせ!」
「おー!」
「生きるぞ!」
「おー!」
「キングになるぞ!」
「王ー!」
最後の方がよく分からない掛け声だったが、死神は死ぬと告げておきながら、死亡フラグ連発の言葉を言っておきながら、生に対しての執着が強くて驚いていた。
『…これは、もしかしたらもしかするかもねー。』
久々に楽しいことが起こりそうな予感だ、と思いながら死神はフッと消えた。
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