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「なぁなっ!!」
「なっなに?」
「いやボーっとしてんだよ」
ヒラヒラと目の前で手をかざす。
「ううん……何でもない」
「ならいいけど……何かあったらすぐ言えよな」
さっきのおどけた表情とはい一変して心配したような男らしい顔をみせる。
あたしのことを……本気で心配してくれる存在。
ここがすごく居心地がよくて大好きだった。
なのに……
「ありがとう海斗」
ニコッと微笑むと顔をほんのり赤く染めた彼が優しく頭をなでてくれる。
「なぁこの箱なに?」
指さされた方をみるとそこにあるのはさっきもらった小さな木箱。
漆でぬられ桜の花がきれいに舞って描かれている。
「あぁさっき家をでる前にお母様に渡されたの」
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