平成の世

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「解放されたー!!」 高級マンションのとある一室。 大声で叫んでも何の問題もない。 あの両親もいない空間。 城のような家だったけれど私にとってはこのマンションがまさに城だった。 私だけのお城…… 昔から窮屈で仕方なかった。 1人でいられる時間なんてほんのわずか。 ほぼつねに私の周りには人がいた。 周りにあるのは飾られた言葉、ありふれたお世辞。 そんな空間が大嫌いでたまらなかった。 どうせ親も見ているのは私の見た目と評価だけ――― .
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