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数日が経ち、今日は8月31日。 貴裕は昨晩、 蓮に“1時頃迎えに行く”と 言い残し帰って行った。 そして現在の時計は 12時50分を指している。 よし、完璧だな…っ 準備を終えた蓮は ベットに座り貴裕を待つ。 すると部屋のドアが開き、 待っていた人が現れた。 「蓮、行こうか」 「うん」 貴裕は海に行くというのに、 普段と変わらない 病院の白衣を着ていた。 「なんで白衣?」 「いやぁ…、何着ようか  迷った結果、これ」 せっかく貴裕の私服が 見れると思ったのにな… そう思う蓮をよそに、 貴裕は彼の手を引く。 病院を出て 貴裕の車に乗り込んだ矢先、 蓮は急に睡魔に襲われた。 目を指で擦っていると、 貴裕が尋ねてきた。 「蓮、眠いのか?」 「んー、少しだけ」 そう貴裕に返事をするが、 今にも夢の世界へ飛びそうだ。 「眠かったら寝てていいよ?  着いたら起こしてあげる」 「じゃあ、そうする」 そう言い残して 蓮は静かに目を閉じた。  
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