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「ん…、あれ…?」
眠りから気がついた時には
外はもう暮れ始めていた。
「ゴメン!!すげぇ寝てたっ!!」
「大丈夫だよ。よく寝れた?」
ニコリと笑って
貴裕はグッと伸びをする。
俺、どのくらい寝てたんだろ…
「貴裕、今何時?」
「ん?、今は4時半過ぎかな?」
ざっと3時間くらい
寝てたみたいだ…
「ごめんな、寝過ぎて…」
「お前気持ち良さそうに
寝てたからさっ
気にしなくて大丈夫だよ?」
「でも…」
「心配しなくていいよ?
さぁて、海に入ろうか!」
「え…?」
海に…入る?
そんな事して良いのかな…?
不安そうに俯く蓮の頭を、
貴裕はわしゃわしゃと撫でる。
「どうした?」
「…俺、 海入ってもいいの?」
「当たり前だろ?
そのために連れてきたんだ」
貴裕はグイっと
蓮の腕を引っ張る。
「ほら、ビーチサンダル脱いで?」
「う、うん…」
足に感じる熱い砂の感触
…そして、
「冷たっ!!」
ヒヤリとした感覚が
蓮の足元から伝わってくる。
「これが…海…」
初めての海が嬉しくて、
蓮はバシャバシャと水を蹴る。
それと同時に
足の裏に小さな痛みを感じた。
「痛…っ」
「どうした!?」
「足…っ」
足の裏の痛みを話すと、
貴裕はふいに蓮を抱き上げる
「貴裕っ!?」
「貝殻で切ったのかもしれない。
海の家に行って見てみよう」
軽々と持ち上げられて、
二人は海の家の
ベンチへと座った。
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