君との出会い

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「アンタ…どっかで見た事ある」 ボソッと呟いた蓮の言葉に、 “アンタじゃない”と 彼は苦笑いを浮かべた。 「さっき名前教えたろ??」 「貴裕だろ?」 「…別に良いけどさ、 普通は“先生”つけないか?」 「質問に答えろよ」 ったく、こんなやつが 俺の担当医なのかよ…。 「ごめんごめん。 話しが逸れたよな」 そう言って貴裕は 俺の頭をポンと撫でてきた。 「――っ!?? 何すんだよ、触るな!!」 蓮は貴裕の手を振り払うと、 ベットから飛び降りる。 「おいおい、どこ行くんだ!??」 部屋を出ようとした彼に、 貴裕は慌て腕を掴んできた。 「離せ!!」 「少し落ち着けっ。 落ち着いたら離してやるから」 冗談じゃない。 俺を餓鬼扱いしやがって。 ……ヤバっ、 頭がクラクラしてきた。 「……蓮、どうした??」 彼の異変に気がついたのか、 貴裕は蓮の顔を覗いく。 ……心臓が、痛い。 ふいに目の前が 真っ暗になって、 身体の力が抜けていく。 蓮はそのまま、 意識を手放した。
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