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数日が経ったある日、 蓮は何気なく窓の外を 見つめていると、 貴裕が彼の朝食を持って 部屋に入ってきた。 「おはよう!! 朝食持ってきたぞ」 貴裕はベットの上にある机に 朝食の入った皿を置くと、 蓮の隣へとやってくる。 「なんか良いもんでも 見えるのか??」 蓮がひたすら外を 眺めていたせいか、 貴裕は不思議そうに 同じように外を見つめた。 「んーっと……。 あそこのピンク色をしたやつ 何かなぁ~って思って」 そう呟いて指差すと、 貴裕は驚いて彼を見た。 「あれは桜だよ!」 「……さく…ら??」 聞いたことのない言葉に 思わず蓮は首を傾げると、 貴裕は何を思ったのか、 蓮の頭を軽く撫でて呟いた。 「桜…、見に行こうか?」 「………えっ??」 「外出許可取ってくるから、 朝食食べて待ってて」 貴裕は蓮にそう言い残すと、 部屋を後にした。 残された蓮はとりあえず 朝食のパンを頬張る。 「なんだ、これ…?」 蓮は不思議と身体に 広がる苦しいような 痛みに、顔を歪める。 なんか、胸が…… この時まだ 蓮は知らなかった。 この痛みの理由がなんなのか…。
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