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ざっと見回してみても、人が隠れられるようなスペースはない。 残る可能性は…。 そんなことを考えていると…。 「あれー何やってんのー?じいやー!」 「この声…!」 雅とともに外へ飛び出す。ただでさえあいつは声がデカいんだ。 「大地!」 「おぉ、玲、雅。久しぶりだなぁ…元気か!」 「元気だ。元気だから肩を叩くのはやめろ」 「相変わらずだなーお前も」 大地の手が触れていた場所を軽く払う。 「おいおい、そりゃないぜ~」 「ていうか大地、さっきじいやって…」 「あぁ、あそこにいるぜ?」 大地が指差す先は… 「「…………空?」」 あ、またハモったな。 「違う違う。ほら、あれ」 どうやらじいやは屋根の上にいるらしい。 ここからでもスラックスの裾が見える。…少しだが。
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