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「今回お前たちにはその月影美術館を運営している、月田星男(ツキダホシオ)という男のところからこれ」 じいやが写真を見せた。 そこには真ん中に青い宝石が埋め込まれた蝶をかたどったブローチが写っている。 「綺麗ね…。この羽のところに散りばめられているのは…ダイヤ?」 「そうじゃ」 「さぞお高いんだろうな」 「うむ」 「それを盗むのか?」 「そうじゃよ。タイトルは蛍蝶(ホタルチョウ)じゃ」 「蛍蝶?なんで?蛍と蝶って全然違うものよ?」 「宝石の光が蛍の光みたいに見えるから、だそうじゃよ」 「ずいぶん簡単に名前つけたわねぇ…」 俺は食い入るように写真を見つめていた。 なんだ…?どこかでこのブローチを見たような気が…。 「まぁとにかく侵入経路考えなくっちゃ」 「手下も用意しないとな」 「あら、あなたの手下は向こうだけじゃないのね」 「バッカお前、こっちに手下いなくてどうすんだよ」 「それもそうね」 雅と大地が席をたち、俺も外へ行こうと立ち上がったとき。 「玲よ、ちょっと待たんか」
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