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「冗談でしょ。」
複雑な英数字を20分で解読した。
解読した私は嬉しかったが信じられなかった。
何故?
そのうちにわかるはず。
"印刷"という文字に合わせクリックするとプリンターが音をさせるのを聞き流しながらココアを飲む。
時計を見るのと部屋の扉が開く音がしたのはほぼ同時だった。
振り向くと養父が焦ったように近寄ってきた。
「どうかしたの?」
「どうかしたの?じゃない!!」
「だって,焦ってるじゃない。」
「お前がノックしても出ないからだ!!倒れているのかと…」
「もう。お養父さんは遠慮しすぎたノックだからいつも聞こえないの。」
「すまん。」
この人が"あそこ"から私を引き取った…連れ去ったの方が正しいのかもしれない。
「何か用があったんじゃない?」
「おぉ,そうだった。」
「お前に縁談がきているんだ…って聞いているのか?」
「断って。」
プリンターから出てきた紙を取り出しながら慣れたようにキッパリと答える。
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