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この頃,養父は縁談の話をよく持ち上げるようになった。
この人は将来の安定性があるとか。
私は結婚したくない。
したいけど。
ちゃんと,自分の目で見て決めたい。
「会ってみるだけでいいんだ。な,頼むよ。」
「嫌よ。会社が傾いてるんだったら考えるけど有り得ない。」
そう。
私の養父はとても大きな貿易会社を経営している。
だからライバルなんて聞いたこともないし潰そうなんて話も勿論ない。
「話はそれだけ?私,出掛けなきゃいけないんだけど。」
「分かったが何処に出掛けるんだ?」
「内緒。」
話が終わる頃にはバックに紙と必要なものを入れ終わっていた。
「じゃあ,行ってきます。」
自分が扉から出ると同時に養父も引っ張って出した。
ちゃんと鍵も閉めて。
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