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本当に来るんだろうか。
あれは単なる悪戯メールだったのではないのだろうか。
車を走らせながら助席の上に置いてある紙に書かれている場所に向かう。
「こんにちは。今日のようないいお天気の日はどこかへ行きたいですね。DJのサラ・アントワです。」
謎の"声の女優"。
サラ・アントワ。
確かに声は綺麗だ。
しかし,顔や出生などは誰も知らない。
噂によるとマネージャーめ知らないとか。
もうすぐで目的地に着くところで赤信号になった。
今日は2回目だ。
誰も横断歩道を渡る事なくただ時間が流れる。
ほどなくしてバイクの音が後ろからやって来るのが聞こえた。
気になってバックミラーを見ると大型バイクが勢いよく走っていた。
「焦ってるのか?」
ヘルメットで顔は見えないため表情は分からないがいつの間にか音で判断していた。
いつもならそんな事しないのだが。
バイクは俺の車を追い越し過ぎていった。
前を見ると信号は青を示している。
後ろに車がなくて良かった。
クラクションを鳴らすのも鳴らされるのも得意ではないからな。
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