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目的地の入り口に着き車を降りた瞬間,先程のバイクが目に入った。
「…先回りされた。」
急いで中に入る。
そこは廃墟になってしまった俺の思い出の場所があった。
古くなった扉を開けるとあの時のまま残っていた。
歩き始めると床に広がった無数のガラスの破片がバリバリと音を立てながら細かくなっていく。
しばらく歩いていると何処からか啜り泣く声が聞こえてきた。
まさか…
何処に居るんだ?
広すぎる"ここ"に若干苛つきながらも足早に声を辿っていく。
ここか。
やっと見つけた。
扉に手をかけるがすぐに開けれなかった。
どう声をかければいい。
どう説明すればいい。
「………た…。」
か細い声が途切れ途切れに耳に入る。
説明とかそんなものどうでもいい。
扉を静かに開けると床に座り込んでいる女性が一人。
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