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いつまでも“固いもの”に触っているだけでは仕方ない。
俺は彼女の着ている服の、小さなボタンに手をかけた。
人の着ている服を脱がす。
という行為もまた、初めての体験だった。
一つ一つの動作に、繊細さが求められている。
苦手分野ではあるが、俺は可能な限りの注意を払った。
さながら、爆弾の解体処理を行っている、特殊部隊の隊員になったような心境だ。
ボタンが一つ外れる度、あらわになる彼女の肌。
雪のように白い素肌は、男にはないキメの細かさだ。
目を逸らそうにも見入ってしまう。
ボタンをすべて外した後、俺は一体どんな顔をしていただろうか…
今思うと、鏡越しの自分自身を、もう少し見つめておくべきだったような気がする。
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